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2019-06-10 15:44:00

急性腰痛(ぎっくり腰)1回で症状消退に向かう

 

◎はじめに

 腰は中封にあり。古より中封穴は腰痛治療の名穴とされているが、こと椎間関節付近に発症した急性の腰痛症には顕著に奏効する例が多いので紹介する。
 これから冬場に向かうにつれて、ギックリ腰をわずらってその場で動けなくなる患者も増加することだろうが、以下の方法で毎年ものの数分で完治させて返している。

冬場みかける急性の腰痛症は上記したような椎間関節の捻挫と評価できるものか、仙腸関節付近に激痛を訴えるものかにわかれるが、中封穴は前者のものに限り有効であることが経験でわかっている。




症例1
 患者女性34歳、事務員。3日前早朝大きな咳をした瞬間、腰部に激痛が起こり、動けなくなりこの3日間症状の緩和がみられず、整形外科にてレントゲンを撮影するものの骨には異常がない、とくに骨と骨が若干狭くなっているほかは問題ないとの診断である。下肢痛はいまのところない。

来所時、親族に車でおくってもらい、体をえびのようにまるめておりいかにも非常に痛そうである。この3日間腰がたたず1回整形で痛み止めをのようなものを打ってもらったが症状が若干軽くなるばかりで垂直に体を起こすことができない。玄関から治療室までおおよそ10メートルあるがきわめてつらそうなので肩をかついでベッドまで患者をもってきたような状況である。

ベッドに横になってもらい、腰部の周辺を観察したところ、やはり腰椎の右横3センチほどのところに圧痛が確認できた。骨盤の仙腸関節には特に動きで痛みが出る様子はない。
 体を左右回旋させると、大きく左に回したとき強い痛みが出る。

このような患者がきた場合、最適な治療法を知らないととまどうばかりで施術所は修羅場になるが、すでに中封穴による治療および腰椎のアジャッストメントを併用することで開業以来何十回と即時に結果をだしているので慣れっこである。

 右側臥位にて腰椎の調整(カイロテクニック)を施すと少し軽くなったという。体を起こすことがなんとか可能となるまで改善したが、まだ体を寝返りさせた瞬間、右椎間関節付近に激痛がくるとのことである。
患者の体を完全に起こし、ベットに膝を出して座ってもらい、中封穴の位置を確認し、その部位を柔捏しながら体をゆっくり左右に大きく回旋させるなどして(運動針の発想)やると、おおよそ3往復のあたりから徐々に左回旋痛が減少してきた模様である。そのまま20往復した段階で回旋痛はほぼゼロになった模様である。そこで患者にたつことを指示すると、患者はゆっくりとおそるおそる立ち始めるが、普通に痛みなく立てることに少し驚いている。

屈伸運動を指示し、腰部になんの違和感もないとのことなので略治。

 中封穴の由来は「中は中間、封は境界の意味が含まれているという。うちくるぶしの前1寸の高さで長拇指伸筋腱と前脛骨筋腱の陥中にあたる。この2つの筋腱との封界、境だから中封と呼ぶ。
 
 何故にくるぶしにあるツボを刺激して体を回旋させるとこれほどまでに腰痛が治ってしまうことは不明だが、今後の研究にまたれる。なお、ただ単に経穴に刺針してるだけでは無効な場合が多い。もちろん治療効果は取穴の正確さに依存しているといえるだろう。

一般的に行われている方法は患者に電気の吸盤をあてたり、腰をさすたっり、サラシで強力に巻いたり、あるいは腰に電気針をすることがおこなわれている。

さらに超音波などで炎症を沈静化させればなお効果的である。

ほかに手の甲に腰腿点などの運動針を推奨しているものも散見されるが、有効度がそれほど高くもないのにきわめて痛い治療なので要検討事項であろう。


症例2
 患者男性40代、腰椎椎間板ヘルニアではないか?ということで来所。左腰部に強烈な痛みを抱えているようにみえた。
来所時、歩行困難を生じており片足をびっこ引きながらでないと歩けない。問診用の円イスに座らせ、立とうとするときに左腰部から上臀部にかけ、激痛がきて右足に力をいれでないと立てない。
 問診するとかつて5年程前に腰椎椎間板ヘルニアでラブ法の手術を受け、右下肢痛はほぼ消失したものの、しばらくしてから右下肢にいやな痺れもかかえており、再度手術するのではないかとの不安もあると訴えていた。
 当該患者に東洋医学的に診察すると、下肢挙上テストでL5/S1付近に激痛を発症させており、左腰部に椎間板ヘルニアを惹起したか、急性の椎間関節症を発症したようにもみえ、判断に迷ったが、体幹を左右に回旋させると顕著に痛みを訴えているところから後者の証が高いと判断しぎっくり腰専門の治療を施す。

 左腰椎L5/S1傍側に椎間関節特殊針ののち痛み症状略半減するもまだ回旋時の症状がとりきれないため、座位にて中封および、秘伝穴の2極をとり通電した。章門付近を手で抑えているので聴いたところ「ここに響きがくるのです」といっていた。徐々に腰椎まで得気が上昇しているようにもみえた。
 回旋させながら中封穴特殊通電針を実施後、腰椎調整術にて靴下はく動作が顕著に楽になり、ベッドから楽に起き上がれた。さらにエコー実施にて炎症が治まったようである。まだ右下肢にヘルニア術後後遺症に伴う坐骨神経痛があるので加療中。肝気鬱滞の証による急性腰椎症。

注:翌日来院、左腰部の激痛はゼロになり、会社の同僚が驚いていたと話されていた。
ぎっくり腰は当院では1日で十分です。サラシを巻かせたり何日も何日も通院する必要はない。

作成年月日:平成14年9月25日および平成18年8月