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2019-06-10 15:46:00

症例カンファレンス8

 

はじめに

 当施術所においては以前より環跳穴特殊鍼法にて椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の治療にて顕著な有効例を蓄積してきたが、今回たまたま頑固な臀部痛が百会穴-印堂穴及び四神聡穴の低周波鍼通電数回にて顕著に改善した症例につき報告する。

症例1 
 患者女性55歳、女性。
 平成14年ころから腰痛を自覚、平成15年度にはいり3月頃から坐骨神経痛を患い、整形外科に通院したがなんでもないといわれ2ヶ月間電気治療等通院し改善しないので精密検査(MRI)をした結果、椎間板ヘルニアと診断された。
 座薬、ロキソニンなど投薬治療するかたわら、仙骨神経ブロック3回などしても改善しないので入院をすすめられるという状況にて9月26日当所へ来院。

 観察すると、左臀部からくるぶしにかけ坐骨神経痛がきており、SLR10度でほとんど足があがらず仰臥位にて膝を伸ばすと、臀部にズキズキした痛みを訴えた。歩行、長時間たったままの姿勢を保つこと、寝返り、体幹を起こすことは痛みで困難である。

この患者に対し特殊鍼法による環跳穴低周波鍼通電にて施術、治療直後仰臥位にて下肢を楽にまっすぐのばすことが楽にできるようになる。翌日寝返りも楽に行えるようになる。
 6回目でSLR70度まで改善し、大腿部後側から下腿にかけての痛みはほぼ消失する。
その後、自宅にて歩行がふらついたとき、腰をひねり腰部から両臀部にかけ強い痛みが発症し、再来院。以前のような下肢痛はでてはいない。レントゲン検査依頼では特に腰部、股関節には骨に異常がないものと診断を受ける。
 この時以来、両臀部の筋緊張の緩和、炎症を抑えるような治療を9回ほど行うもあまり顕著に改善しない。
そこで体表に圧痛がないかどうか等調べ百会穴で腰痛を治したとの報告を受けていたのを思いだし追試してみた。

 この患者の百会穴及びその周辺の四神聡穴を押してみたところぶよぶよしており、顕著に圧痛を訴えた。
頭部を触診して圧痛、ぶよぶよした感覚をおぼえるのはかつて鬱病と診断されて常日頃から精神安定剤など投与されていた患者以来である。
 百会穴-印堂穴に低周波鍼通電し、臀部に超音波などして帰宅させる。百会穴には後部から横刺で行い、容易に抜け落ちないよう工夫した。
12月11日に患者から電話があり、非常にあれから精神的にリラックスでき、熟睡できるようになりおしりの痛みがものすごく楽になったとの報告を受けた。ペインスコア10→3。

 1.頭部刺針2回目
今回は印堂穴よりも百会穴、四神聡穴など圧痛点に中国鍼などで正確に刺鍼、特に頭にうっても痛くないという。ごく微弱に低周波鍼通電0.5ヘルツにて10分間行った。施術後とても眠くなると話す。
2.同3回目
 前回同様、非常に臀部周辺の調子はよいという。以前は動き回るとすぐ痛みがでるが現在はそのようなことはない。頭部はあいからわず多少ぶよぶよするものの、押してもそれほど痛みが出なくなった模様である。頭部の圧痛レベルと臀部の症状のペインスコアが比例関係にあることを見いだした。


◎臀部の痛みそのものは股関節からくるものなのか、あるいは腰痛症の範疇に属するものなのかは不明でよくわからないところがあったが、今後百会穴及びその周辺に圧痛がある場合には同様の施術を試みる予定である。

頭部を触診して圧痛、ぶよぶよした感覚をおぼえるのはかつて鬱病と診断されて常日頃から精神安定剤など投与されていた患者以来である。その患者も腰痛や坐骨神経痛を訴えていたが、同様に頭部刺針して(中国鍼にて10数本)治療後気分が軽くなり、腰痛も軽減したと話していた。
 そのほかでは承霊穴にごく微弱に緩い間隔のパルスで患側の耳鳴りが幾分よくなったという症例も経験している。

頭部刺針は自律神経の働きを整え、中枢神経の興奮を抑えるためか、予期せぬ治効がえられる場合がある。


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(作成日時99’12)